予防接種率の向上が次世代の命を救う 前衆議院議員 古屋 範子
将来、私たちの生活を支えてくれるのは、次代を切り拓いていく子どもたちです。これは家族や特定の地域に限定された話ではありません。地球全体として前の世代を次の世代が支えているのです。次世代の支えなしには人生100年時代を語ることはできません。
しかしながら、子どもたちが健やかに育って大人になり、自分達よりも上の世代を支えられられるようになる確率は、残念ながら世界の各地域において異なるのです。例えば、アフリカなどの地域では、紛争や気候変動など複雑な要因による感染症、例えば、エムポックス、マラリア、デング熱などにより、非常に多くの子どもたちが5歳まで生きることができません。
こうした感染症はワクチンを予防接種すれば防ぐことができます。
低中所得国の予防接種率を向上させるため、2000年、国連機関や各国政府、製薬会社、NPOなどによって構成されるGaviワクチンアライアンス(以下、Gavi)が設立されました。Gavi は、これまで世界の10億人以上の子どもたちに予防接種を展開し、数多くの命を救ってきました。日本政府も、Gaviの活動資金を拠出することを通じて、世界のワクチン接種率の向上に寄与してきました。
ところが、足元では、米国や欧州諸国が海外援助の削減を進めた影響により、特にグローバル・サウスと呼ばれる地域において、多くの命が危機的な状況にさらされています。例えば、米国の対外援助停止は、年間230万人から560万人の命を危機的な状況に陥れ、HIVに感染した新生児が推計13万6,000人も誕生してしまったとも言われています。
こうした中、昨年6月Gaviは、今後5億人以上の子どもたちに予防接種を配布し、800万人から900万人の命を救うことを目指す次期5ヵ年戦略(2026年~2030年)を公表しました。この裏付けとなる活動資金を募るため、来週6月25日には世界各国の首脳が参加する会合が開催されます。これまでGaviの活動資金を拠出してきた日本政府に対しても、当然、積極的な貢献が期待されています。
他方、日本の財政が厳しい状況にあるのは事実です。物価上昇対策など、国内対策で手一杯で、外国の子どもたちを救っている余裕などないのではないか、という声も聞こえてきます。
でも、私たちの未来を支えてくれる子どもたちの命の重さに差をつけてはいけません。予防接種率の向上により、子どもたちの命を救うことは他人事ではありません。自分自身の将来を支えてくれる次世代を地球全体が一つとなって育むという、自分事として考えていただきたいのです。
日本政府が胸を張ってGaviの会合に出席し、多額の活動資金の拠出を声を大にして表明できるよう、国民の皆様一人一人が日本政府を後押しして下さることを切にお願い申し上げる次第です。
2025年6月18日