代表メッセージ

私たちが向き合わなければならない社会課題は年々複雑化し、個人の努力や民間企業の取り組みだけでは解決が難しい領域が広がってきています。これらの課題に的確に対処し、持続可能な社会を築いていくためには、政府や地方自治体による公共政策の企画立案と実行が不可欠です。​

しかしながら、いかなる政策にも本質的な制約と限界が存在し、それは完璧なものとはなり得ないという現実があります政策には必ず期日があるからです。それも、その検討が開始される前に制度や政治日程などによって決まってしまうことが多いのです。このため、政策決定に至るまでに利用し得る情報、データ、知見や、検討に割ける時間には自ずと制約が生じてしまいます。​

十分な検討を行う時間的余裕があったとしても、合理的なロジックよりも、関係するステイクホルダーの政治的な力関係が政策の内容を左右することも珍しくはありません。負担が一部の集団に集中したり、一定の副作用を許容しなければならない場合もあります。​

政策の対象となるのは生身の人間です。人間は常に合理的な行動をとるわけではなく、時にあえて非合理的な選択を行います。他人への危害とならない限り、愚かな行動をとっても自己責任の範囲内だという、いわゆる愚行権を尊重すべきという考え方もあります。つまり、仮に完璧な政策が企画立案されても、そのまま実行され想定通りの効果が得られるとは限りません。​

人々の価値観や規範、生活習慣は属する社会によって異なり、人間の行動を左右することを通じて政策の効果に影響を及ぼします。諸外国における成功事例は大いに参考になりますが、それをそのまま日本に当てはめれば同様の効果を得られるというほど単純ではありません。​

このような政策の本質的な制約と限界にかんがみると、政策の効果をエビデンスに基づいて検証し、政策の立案・改廃につなげて政策の実効性を向上させる不断の努力が欠かせません。政策を絵に描いた餅に止まらせないためには、その対象者がその政策を現実の生活の中で、無理なく実践できるものに仕上げていかなければなりません。​

一般社団法人グローバル政策研究機構は、以上のような考え方に基づき、Evidence-based Policymaking (EBPM)の推進と国際的かつ党派を超えた政策論議の促進を通じて、政策の実効性と実践性の向上に取り組むことで、私たちが向き合わなければならない様々な社会課題の解決に貢献してまいります。​

グローバル政策研究機構 理事​
黒田 岳士​